感嘆で言葉を失うとはこのことだ。
― ピエール・フランソワ
演劇レビュー:アヴィニヨンOFF演劇祭 『Blanc de blanc』
カンパニー Ôbungessha による公演 Théâtre Transversal にて ピエール・フランソワ評 2024年7月5日掲載 _____ 感嘆で言葉を失うとはこのことだ。 『Blanc de blanc』をどう語れば良いだろうか。無言のまま、まさにマイムの作品だが、その洗練されたアジア的な美しさは、日本人俳優によるものだ。この作品は、観客に極めて集中し、かつ想像力をかき立てる静かな鑑賞を促す。各マイムの冒頭に、約10分間のパフォーマンスのテーマが俳優によってチョークで壁に書かれる。これが舞台上に存在する唯一の「テキスト」だ。その後は、創作者と観客の間に織り成される共鳴が始まり、観客はジェスチャーによる物語の間隙を埋める役割を果たす。 特に、感情を表現するマイムは完璧に透明性がありで分かりやすいが、それ以外の場面では観客に意図的に解釈の余地を残す。公演開始前には『うまくいくか、それとも失敗か』と感じることがあるかもしれない。しかし、公演終了後には、俳優が観客との深い絆を見事に構築したことで、この作品が失敗する可能性など微塵もなかったと確信させられるだろう。 Critique Blanc de blanc de Shu OKUNO / Holybuzz(原文) |