『Blanc de Blanc(白の中の白)』
制作 2023 / 改訂版 2025
フィジカルシアター(身体表現劇)とマイムによるソロ作品
2025年秋、日本公演決定
- ▶︎ 犀の角(長野県上田市)
2025年8月29日(金)〜31日(日) - ▶︎ Apartment(兵庫県豊岡市)
- ▶︎ 東京公演(調整中)
誰かの仕事は、誰かの居場所をつくっている。
仕立て屋とピアニスト、二人の男の人生が交差する、静かな舞台詩。ラジオを流しながら布を仕立てる一人の男の手は、生活の動作であると同時に、孤独の奥に眠る記憶や、もう一つの人生への憧れ、語られなかった夢をなぞる所作でもある。
やがてもう一人の男が現れ、夢想家として、ピアニストとして、作曲家として、別の人生の輪郭を静かに生きはじめる。
二人の時間は並行しながら、生活の中で、仕事の中で、やがて共鳴するように進んでいく。舞台上には、青年期の眩しさも、老年期の静けさも織り込まれ、ひとつひとつの場面が、糸をたぐるように、時間の流れを紡いでいく。
ピアノの音色が包む舞台は、言葉のない言語で描かれるために準備された真っ白なキャンバス。騒がしさから解放され、身振りだけが意味を成す世界が、観客の心に穏やかな感動を響かせていく。マイムと身体表現の芸術が詩のように描き出す、パリに生き、パリに身をゆだねる60分の小さな旅。
『沈黙の詩人』『パントマイムの神様』と称されたマルセル・マルソーの系譜を継ぐマイム俳優、奥野衆英。パリを拠点に、身体と言葉の境界を問い直す表現を追求し続けている。
最新作『Blanc de Blanc(白の中の白)』は、2024年アヴィニヨン演劇祭OFFで高く評価され、「公式部門に並ぶべき一作」「劇場を出ると、不思議と社会に立ち向かえる気がしてくる」とも評された話題作。
◇ 海外レビューより
日本公演に寄せて、フランスの批評家たちが語った『Blanc de Blanc』の魅力を、一部ご紹介します。
「からだの詩人」が運ぶ、詩の泡のようなひととき。
― Safia Bouadan, L'Onde Bleue
「言葉はない。でも、すべてが伝わる。」
― Note Actu Parisienne
「2025年版『Blanc de Blanc』は、より濃密に、より明晰に深化して戻ってきた。」
― Arts Culture Évasions
魔法のような瞬間が生まれ、子供から大人まで、この唯一無二の作品と、奥野衆英の輝かしく寛大なパフォーマンスに魅了された。
― Paola Gomes, Théâtre actu
奥野衆英の舞台が治療的効果を持つとまでは断言できない。しかし不思議なほどに心が安らぎ、劇場を出る頃には、時代のあらゆる困難に立ち向かうための準備が整うのだ。
― Philippe Person, Froggy's Delight
演出・出演:奥野衆英 • 音楽:ジョルダン・チュマランソン • 演出協力:ティボー・ボワダン • 舞台美術:石塚菜々子(ドミニク・ペロー建築事務所) • 照明:中佐真梨香(空間企画) • 衣装:河野通子、YUKI DEMURE • ビジュアルデザイン:市川千穂(C DESIGN) • 写真:外山舞・カネモトアヤカ • 製作:Ôbungessha(奥野衆英) / 協力:Atelier Thierry Sigg、フランス国立ダンスセンター(CND)、リンナイ株式会社、Apartment、Loic Bocenno-Guennec、Drama Queen Forever、Ôbungessha